芝生のスライシングとは?新陳代謝を図る手入れ
芝生のスライシングとは芝草の地下茎に切れ目を入れる作業
芝生のスライシング作業とは、成長した芝生にターフカッターなどの専用道具を使って切れ目を入れる、芝生の手入れのひとつです。古い根を切って新しい根を成長させる「根切りの」効果に加えて、土壌の通気性改善、水はけ改善、病気予防の効果があり、芝生の若がえりを促すことが出来ます。
スライシングは、芝刈りや肥料などと違って、すぐに効果が期待できるお手入れではありませんが、やっておけば必ず効果を実感できますので、毎年コツコツと定期的に行うことが大切になってきます。
芝生のスライシングの時期と頻度はどれくらい?
スライシングは芝生の新陳代謝を図るのが目的の手入れなので、基本的には、芝生の成長が始まり成長が旺盛になる前に行うと良いでしょう。
芝生の更新作業は、芝生の状態が悪くなるなってからでは遅いので、予防的に毎年決まった時期に行うのが理想的です。
高麗芝(暖地型芝生)のスライシング時期
高麗芝などの暖地型芝生の場合は、気温が15℃以上になる、3月中旬〜6月と、9月までがスライシングに適した時期になります。
特に春の時期に行うのが効果的です。ただし。7月、8月は気温が高くなるので避けるようにしましょう。
寒地型芝生のスライシング時期
寒地型芝生の場合は、気温が5℃以上になる、3月中旬〜6月と、9月〜10月までがスライシングに適した時期になります。
梅雨のない北海道では、一年中スライシングが可能な時期となります。
芝生のスライシングの効果
古い芝草の根を切り、根の新陳代謝を促す
地面の中では、芝生の成長とともに古い根が水平方法に増えていきます。根が増えすぎた芝生は、通気性や水はけが悪くなり、芝生は老化をして行きます。
この古い根を切る(根切り)ことで、切り口から新しい根が生えてきます。そして新芽の発生が促進され、自分自身を再生しようとして節や切られた部位から新しい芽を出し始めます。
芝生が育つ条件とは土をほぐし水はけを改善できる
スライシングをすることで、土をほぐすことが出来るので、水はけの改善につながります。
特に人がよく歩く場所は土が踏み固まれて水はけが悪くなっており、芝生の成長の障害となっている可能性があるので、スライシングによって改善できる可能性があります。
土壌改善・病気予防
芝生と土壌に穴を開けることで、土壌の通気性が改善されます。
通気性がよくなると、土中の微生物(バクテリア)の働きが活発になって、サッチや古い根の分解が促進されます。通気性の良い芝生と土壌は病気になりにくく、元気な芝生に育てることができます。
スライシングとエアレーションとの違い
スライシングは芝生のエアレーション(スパーキング)と目的と効果がよく似ています。
どちらの手入れも、芝生を活性化させ、成長を促進するという目的では同じ更新作業であり、手入れを行う時期もほぼ同じです。
両者の違いは、エアレーション(スパーキング)は、土をほぐし、土壌の通気性、排水性を改善する効果が大きく、スライシングの方が根切の効果が高いことなので、優先したい目的に合わせて作業を選ぶと良いでしょう。もちろん、両方の作業を行ってもかもいません。
エアレーションとは芝生のスライシングの方法
スライシングの方法は、先に刃の付いたターフカッターという道具を使って、20〜30cm間隔で、芝生の根を垂直方向に切っていきます。
土が固いようであれば、ターフカッターに体重をかけて、芝生を押し切るように突き刺していきます。
効果をさらに高めたい時は、切る感覚をさらに狭くしてスライシングを行います。縦方向、横方向とそれぞれに切れ目を入れても良いでしょう。基本的には年1回の作業を目安とします。
芝生のスライシングの道具
ターフカッター
ターフカッターは、芝生のエッジをきれいに揃えたり、移植用のカット作業に使用しますが、スライシングの道具としても使えます。芝生に垂直に突き刺して、体重をかけるようにして芝生の地下茎を押し切ります。
ホームセンターで安価で販売されていますが、切れ味の鋭い商品はそこそこ高価です。
芝生の手入れ以外では使わない道具なので、購入をためらう方は、スコップや鎌、大きめのカッターナイフで代用することも出来ます。
スライシングマシン
電動式リール式の芝刈り機の中には、専用の刃に交換することによって、スライシングが出来る機能が付いた商品があります。
スライシングの作業は、体力を使いますし、広い面積の場合は特に疲れますので、このような便利な道具を使用すると楽に作業することが出来ます。
電動式芝刈り機を購入する際には、重視したい作業のひとつですね。
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